いくわ鍼灸院
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1:部位別の症状
- 肩こり
- 首の後ろから肩、肩甲骨の間などの緊張感や重圧感、痛みといった自覚症状を言います。
首や内臓の病気から反射的に起きるものや、疲労から起きるもの、自律神経のアンバランスから血行が
悪くなって起きるものがあります。
- 鍼灸で適応するのは筋の持続的緊張や疲労、姿勢の悪さから起こるものです。その他、頸椎症、自律神経失調症、各種内臓疾患などから起こる肩こりも、原因がはっきりしているものは対症的に適応となります。
- 東洋医学的には首や肩の気血の流れが滞ったものと見なします。気候の変化、体質、疲労や病後の体力低下、ストレスによる感情の変化、姿勢の悪さや外傷の後遺症などで起こると考えます。
- 治療は原因によって筋緊張、血行の悪さ、痛みのいずれかを取り除くことと、自律神経を調節するように行います。
- 最近ではパソコンやスマホを長時間使用することによって起こるVDT症候群も多くなっています。VDT症候群は目の疲れが一番の症状ですが、思い当たる場合はパソコンやスマホを使用するときに、適時休憩を挟んで目を休ませることと、首や肩の緊張を緩めることが重要です。
- 頸肩腕痛
- 首から腕にかけての痛みで、原因としては斜頸、頸肋といった先天的なものや、変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、後縦靱帯骨化症などの病気、その他、胸郭出口症候群、五十肩、筋筋膜症などが有ります。
- 鍼灸に適応するのは頸椎症性神経根症と狭義の頸肩腕症候群です。また五十肩、胸郭出口症候群、筋筋膜症も適応となります。
頸椎症は頸椎周辺で骨棘が出来たり椎間板が狭くなったりしたために、神経を障害したり神経根周囲の血行が悪くなって起きる症状です。
狭義の頸肩腕症候群は首から肩、腕にかけて痛みやシビレがあるが、検査では原因が見あたらないものを言います。
- 東洋医学ではこういった症状を痺症と言います。急激な気候の変化に身体が付いていけずに起こるとされ、暑さや冷えなどの原因によっていくつかに分類されます。
- 治療は原因により配穴は変わりますが、首の周りの血行を改善することで、緊張を和らげて痛みを鎮めます。
- 肩関節痛
- 肩の痛みには、いわゆる五十肩とそれによく似た症状の、上腕二頭筋長頭筋炎や肩峰下滑液包炎、腱板炎、鳥口突起炎などの非外傷性のもの。それと腱板損傷や脱臼などの外傷性のものがあります。
どれも肩関節の運動痛や自発痛、運動制限が起こります。傷害された部位により運動痛や運動制限の方向が変わります。手を後ろに廻せない結帯障害、手を頭の上に挙げられない結髪障害などです。
- 東洋医学的には痺症のひとつと考えます。急激な気候の変化によって起こり、肩関節で気血の流れが障害されるために筋や腱が障害されて起こります。
- 治療は急性期は消炎と鎮痛が主な目的です。慢性期は肩関節の拘縮のために起きる運動制限を取り除くことが目的になります。
- 腕の痛み
- 腕に痛みを起こす病気には首の障害の頸肩腕症候群や、腕の炎症と神経障害があります。また狭心症の関連痛の場合もあります。
- 鍼灸で適応するのは首の付け根の筋肉が神経を圧迫して起きる胸郭出口症候群、腕の神経が通り道で圧迫されて起きる絞扼性神経障害(円回内筋症候群、肘部管症候群、手根管症候群、尺骨神経管症候群)、テニス肘、腱鞘炎などです。
- 東洋医学的には使いすぎで筋肉を痛めたものを傷筋といい、テニス肘を肘労と呼びます。神経障害は痺症として考えます。
- 治療は神経を圧迫している部分の循環を改善して緊張を和らげ、清熱のツボを使って炎症を抑えます。
- 腰痛
- 腰痛の原因には変形性脊椎症などの脊椎の疾患で起こるもの、脊髄炎などの神経疾患で起こるもの、椎間板ヘルニアなどの関節疾患で起こるもの、筋筋膜症などの筋疾患で起こるもの、内臓からの関連痛があります。
- 鍼灸で適応するのは筋肉が疲労して起きる筋筋膜性腰痛、背骨の関節が捻挫した椎間関節性腰痛、老化などで腰椎部分が弱って起きる変形性脊椎症、腰全体が漠然と痛む姿勢性腰痛、腰から足にかけてシビレや痛みを起こす坐骨神経痛や梨状筋症候群です。
- 東洋医学的には急性のものは経脈や経筋の気血の流れが悪くなって起こると考えます。
慢性のものは痺症により経脈の気血の流れが滞って痛みが出ると考えます。
- 治療は痛みのある部位を走行する経脈の気血の流れを整えることで痛みを鎮めるように行います。
- 膝痛
- 膝の痛みを起こす病気には靱帯損傷などの外傷性のものと、変形性膝関節症、化膿性関節炎、膠原病、滑液包炎などの非外傷性のものがあります。
- 鍼灸に適応するのは老化や肥満が原因で起きる変形性膝関節症と、膝の周囲の滑液包が過剰に刺激されて起こる滑液包炎です。
- 東洋医学的には急激な気候の変化によって膝関節で気血の流れが障害されるために筋や腱が障害されて起こる痺症としてみるものと、使いすぎによって起こる労損として見るものに分けられます。
- 治療は原因により使用するツボは違いますが、膝の周りの循環を改善することで痛みを鎮めるように行います。
- 運動麻痺
- 運動麻痺には脳血管障害後遺症による中枢性麻痺と、外傷や絞扼などによる末梢性神経麻痺があります。麻痺症状が出たときには危険な状態も考えられるので、まずは医師の診断を受けましょう。
- 鍼灸に適応するのは脳血管障害後遺症と各種の末梢性神経麻痺です。原因や症状の程度により回復には個人差があります。また発症してから治療にかかるまでの時間も治療効果に影響します。
- 東洋医学では運動麻痺を痿証と呼びます。筋への血の通りが悪くなり筋が栄養されずに起こると考えます。原因として気候の急激な変化、食事の不摂生、慢性病や過労による体力の低下などがあります。
- 治療はリハビリテーションによる機能回復訓練と併行して行います。麻痺神経の走行と筋支配を考慮しながら経脈の疎通をはかります。
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